私が黒い服を着る理由

「どうしていつも黒い服を着ているの?」と聞かれることがあります。
確かに、私のクローゼットのほとんどは黒。派手な色の服を着ることはほぼありません。今回は、その理由についてお話ししたいと思います。

カメラマン時代の教え:「クロコに徹しなさい」

私が以前勤めていた会社で、カメラマンとして働いていた頃の話です。
上司に言われた「カメラマンはクロコ(黒子)に徹しなさい」という言葉が、私の中に深く刻まれています。黒子は、裏方として表舞台には立たない存在。でも、舞台を支える重要な役割を果たします。
カメラマンとして、目立つことよりも、被写体や場の空気を大切にする。この考え方が私のスタイルにも影響を与え、黒い服はその象徴となりました。

選択を減らすということ

日々の生活では、私たちは無数の選択を迫られます。
何を食べるか、どこに行くか、何を着るか…。その中で、服を選ぶという行為が、私にとってはそれほど意味のある選択ではありませんでした。
黒い服を選ぶことで、毎朝の「今日は何を着よう?」という小さな悩みから解放されます。その分、仕事やクリエイティブなことに頭を使う余裕が生まれるのです。

黒という色が持つデザイン的な強さ

最後に、黒という色そのものが持つ「力強さ」について。
黒はデザインの中で最も「強い色」と言われています。余計な情報を削ぎ落とし、本質だけを引き立てる力がある色です。
私にとっても、黒い服はその日の自分の「軸」を整えてくれるような存在。過度に目立つことなく、それでいて確かな存在感を持つ。デザインワークをする身として、この色に自然と惹かれるのだと思います。

まとめ:黒という選択の意味

黒い服は、私にとってただのファッションではありません。それは「クロコに徹する」「選択を減らす」「デザインの力を信じる」という自分の考え方や働き方そのものを表しています。

服の色ひとつにも、理由や背景がある。それを考えると、黒という色が持つ魅力に、ますます惹かれてしまうのです。これが、私が黒い服を着続ける理由です。

目次